2003年10月14日
先週末に公開され22ミリオンドル(25億円)というクエンティンタランティーノ監督・脚本作品(今までは9ミリオンドル)でも最高の出足でBox Office1位になった「キル・ビル Vol.1 Kill Bill Vol.1」を見てきましたよ。カルフォ〜ニャ州LAでね。
まず、思ったこと。
ソニー千葉こと千葉真一が相変わらず大根な演技でほっとした。嬉しかった。やったね、千葉ちゃん!
ハリウッド映画に本格デビューして、あの年で「演技開眼」でもされてたら、ひとりで赤面しながら、あたふたしちゃうところだったけど。
ということで、「キルビルKill Bill Vol.1(英語公式)」の批評は真っ二つに割れ、「”地面に落ちた手足”の数は、この映画一本で1年に公開されるハリウッド映画で登場するその数に匹敵する残酷さ」と言われていたので、グロが苦手な私も覚悟して見ましたよ。・・・・えええ、相当残酷でした。というか、残忍。血どぴゅー!の連続で、タランティーノ映画では珍しくない、といえばそれまでかもしれないけどさ。だけど、夢にマジで出るって。
で、「残酷だの、どーの」とのたまう他人の感想を聞いたら、「もしや、ばか?タランティーノ映画だべ?それ以外のなんかがあるだろーが」と突っ込むところですが、今回のテーマがズバリ「殺し」ですからね。元上司ビルの刺客たちに、夫・身籠った子供もろとも結婚式で殺され、自らも九死に一生を得たウマ・サーマン扮する女性殺し屋が復讐=リベンジをするというストーリー。復讐といううより「敵討ち」ですね。時代劇の。
タランティーノ自ら「スパゲティ・ウェスタン(マカロニ・ウェスタン)、香港のカンフー映画、日本のサムライ映画、ヤクザ映画に影響された自分の中にあるものを吐きだした」と語るように、「キルビルKill Bill Vol.1」は、もろそんな感じ。つうか、影響されすぎー!!!!
そして...
そこのウマ・サーマンとルーシー・リュウ!!
オマエ等、日本語話し過ぎです!!!!
(ルーシーは日本人と中国人のハーフちゅう設定で日本語はもちろん下手)
緊迫したシーンで、
ルーシー「ウソツケ!」
ウマ「カカッテキナ」
ルーシー「コイ!」
・・・・って、日本語で会話するなー!!!!この脱力感は是非劇場で。日本じゃ彼女たちの日本語に日本語の字幕が必要では?
で、舞台の1/3位は日本という設定(メインセットのレストランシーンは中国だったらしい)になっているんですが、アメリカ在住の日本人として色んなことを思い出しましたよ。故郷日本のね。
例えば、ルーシーの設定と風祭ゆきを見て「セーラー服と機関銃」を思い出したり、ウマ対日本人集団の戦いを見て「エージェントスミス・オフ会」思い出したり、レストランのセット(実際にデザインした日本人アーティスト画像12)見て、ブッシュ大統領が来日したときに小泉首相が招待した西麻布のレストランと『千と千尋』を思い出したり。まあ、バトルロワイヤルもそうだけど。
これらに共通するのは、私の直接体験ではなくて、テレビとか映画といった媒体(メディア)を通してのニッポンなのよね。つまり、生まれ育ったリアルな日本じゃなくて、メディアを通した上での日本体験。その日本体験ではタランティーノも日本人の私も代わらないのかもね。だからむやみに「あの設定を沖縄にするのはツメが足りない!」と突っ込まなくてもよく。
あとは、オープニングタイトルがどーのとか、キャラクターの名前の由来が○○から、このシーンは映画××のオマージュとか、この挿入歌は〜〜で。といった元ネタの薀蓄語り合うのもこの映画の楽しみ方のひとつなんだろうけど、私はいいや。「タラ、あんたヤルねえ」と本人にいえるわけじゃないし。
なんていいながら、「vol.2」が公開されたら見に行くと思いますが。「vol.2」のほうが日本フューチャーが薄れると思うので、邪念無く楽しめると思うし。つまり最初に書いた「残酷なシーン」は、実は「笑えるシーン」でもあるんだけど、日本人が血がどぴゅー!だったりするので、(映画に対してではなく)周りでそれみて爆笑してるアメリカ人見ると、「おめーら」と思ったりするわけです。
で、無理やり映画を2本に分けなくても、別によかったと思うのよ、この映画って。全然。「vol.1」は90分ちょっとだったし。3時間半の大作で全然問題ないんじゃない?そんなにお金儲けたいのかしら?きっとそうよね。ミラマ・・・。
総括すると、最高にゴージャスでお金がかかったB級映画(微妙に誉め言葉)を堪能させていただきました、という感じです。でも、タランティーノ映画に共通するシニカルな笑い、という点では他3作のほうが断然優れてると思いますが。それに今後も私は死ぬまで「トゥルーロマンス」と「ナチュラルボーンキラーズ」はタラ監督で見たい!と言い続けます。少なくともその2作を帳消しにしてくれるような映画をタラが作ってくれるまで。
それと色んな日本人俳優が出ているから全部上げるとキリがないけど、サブリミナル俳優・田中さんが出ていたのは書いておこう。しかし、栗山千明さんの演技とアクションはあれで大丈夫なんですか。鉄球ぶんぶん振り回してるときに腰も微妙に回ってておかしかったし。いや、もっとがんがん腰も回しちゃえばいいのに。長い手足でアクションも凄く決まってたウマをさらに引き立てるにはいいけど。んで、タラ映画といえばサントラ盤。タラ映画はサントラもいいっすね。映画でも効果的に使われている寅年生まれの布袋寅泰の曲もカコイイ。
ところで、脚本クレジットで、「キャラクター設定はBased on Q/U;The Bride」とあったのですが、Q/Uっつうのは、クエンティンとウマのことらしいです。「キャラクター設定」ってわざわざ別記しなきゃいけない程たいそうな者だったか甚だ疑問なんですが、主演女優に据えるだけでは飽き足らず、スタッフクレジット(これは印税はいるんだろうか)も与えたいというタラの愛なんですかね。
ところで、多分「ハットリ・ハンゾウ」はアメリカで「ヘイハチ・ミシマ」の次に有名な日本人になるんだろうな。
