ある男性モデルがネスレUSA社のネスカフェ・インスタントコーヒーのラベルに自分の顔を無断で使用されていたとして訴えていたが、裁判所はネスレUSAに対し、この男性に賠償金15.6ミリオンドル(16億円)を支払うように命じる判決を下した。
訴えによれば、ラッセル・クリストフさんは1986年に赤いセーターを着て、ネスレカナダ社のインスタントコーヒー「Taster's Choice」の広告のためのテスト写真撮影をした。撮影は2時間かかり、時給250ドル(3万円)の仕事だった。この際、ラッセルさんの写真がプロモーションで使用されることになれば、2000ドル(22万円)の報酬を受ける契約もしていた。
ラッセルさんはインスタントコーヒーが嫌いで、スーパーなどに行ってもまったくインスタントコーヒーには目も向けなかったため、自分の顔が商品ラベルで使用されていることは気が付かなかったが、2002年のある日、ドラグストアでブラッディマリーミックスを買おうとしたところ、若い頃の自分の顔が付いている商品を見つけ、「私がTaster's Choiceを見つけたとき、思わず"くそ!俺の顔が使われている!"と言ってしまいました」と言ったという。
最初、ネスレUSA社は10万ドル(1100万円)での和解をラッセルさんに求めたが、ラッセルさんはこれを拒否。ラッセルさんはネッスル社に8.5ミリオンドル(9億円)の和解金を提示したが、ネスレUSA社はこれを拒否した。
訴えのあったカリフォルニア州では肖像権に関して、商品での無断使用を禁じており、ロサンゼルス地方裁判所では、ラッセルさんの顔は目と鼻、湯気のかかった口しか使われていないものの、ラッセルさんの訴えを支持した。
ネスレUSA社では、ラッセルさんの写真を97年から2003年の間に使用しており、賠償金15.6ミリオンドル(16億円)はその間の売り上げの5%をもとに計算している。この間、ネスレUSA社では日本、メキシコ、クェートなど世界18カ国でラッセルさんの顔写真を使用していた。ネッスル社ではこの裁判所の決定に、おそらく上訴するだろうと見解を示している。
ラッセルさんの弁護士は、仮にネスレUSA社からラッセルさんへの報酬が約3.3万ドル(=350万円 2000ドル×18カ国等)だとしても、賠償金15.6ミリオンドル(16億円)という額は、ネスレUSA社が6年間に渡り、商品、クーポン、商品広告などあらゆる面でラッセルさんの肖像を無断で使用した損失を補償した額を含めて、妥当な額だとしている。
ラッセルさんは、ドラマ「ナッシュブリッジス」などに俳優として出演したりもしていたが、現在は幼稚園で教諭をしている。ラッセルさんは「私は今も昔と変わらずに貧乏です」と記者会見で答えた。もし、この裁判が長期化したとしても幼稚園で働くことは辞めないという。
こういうのも一種のアメリカンドリームですよね?
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