ロサンゼルスはある意味[ツタンカーメンの呪い]にかかっている!…気がするのです

 「古代エジプトのファラオ(王)」といえば誰もがまず思い浮かべるのは、光り輝く黄金のマスクで有名なツタンカーメンでしょう。学術的な見地からはもちろん一攫千金を狙って王の墓を発掘して謎の不遇の死を遂げる者らが後を絶たなかったことから「ファラオの呪い」「ツタンカーメンの呪い」なんていう伝説があったりして。

ファラオ界のスター★ツタンカーメンさんがロサンゼルスにやってきたということで大騒ぎ。アメリカに上陸したのは26年ぶり(ニューヨーク)で、ミシシッピより西側に来たのは初めてとか。「TUT IS BACK!」(ツタンカーメン=TUT が帰ってきた!)というポスターが町のいたるところ掲げられたのです。

6月に公開された当時は、1時間毎の入場予約制にも関わらず長蛇の列ができ、入場券は3万円で取引され、U2なんかの超ビックアーティストのコンサートチケットを取るよりも難しいといわれたりもしました。

ということで、見てみたいけどチケットも取れ無さそうだし…人ごみも嫌だし…と思っていたのですが、公開開始から3ヶ月経って、東海岸から親戚も来ていたのでロサンゼルス観光ついでにツタンカーメン王を見に、ロサンゼルス郡美術館(LACMA)まで行ってきました。

チケット代は平日で25ドル、休日だと30ドル。これはロサンゼルスでの映画館チケットの約3倍の値段だから、美術館としてはかなり高め。3ヶ月経った今でも、時間によっては平日でも売切れている回があり、ツタンカーメン人気、未だに衰えず、といったところ。

ところで、私にとってツタンカーメン王のあの黄金のマスクは「ルパン三世」(ルパンがツタンカーメンの黄金マスクを被って憑依しちゃうエピソードね)なもんで、実際に黄金のマスクを目の当たりにした時に、あわよくば仮面を被ってみたい!本当に呪われちゃうか試してみたい!という衝動を自分で抑えられるかが正直心配でした。

予約制で人数制限もしているわりには、かなり混雑していて場内に入るのにも30分近く待ちだったけど、美術館の一部のコーナーに程度の扱いではなく、ファラオの遺品など130点が10近くの小展示場に分かれて展示された大規模なもので、入場料が高いのも納得。

展示されているものは、みな3000年前のものとは思えない精巧さで脱帽するのみ。ちなみにいっしょにいた義理姉は、エジプトは宇宙人が作った説を唱える人(それでも医者)で、繊細な細工を見ては「やっぱり宇宙人がつくったに間違いない」、ファラオの墓のまわりの壮大な写真を見ては「ここに宇宙人が降りたに違いない」と感心しまくっていて、泣けました。感化されるかもしれません。

しかし!歩いても歩いてもツタンカーメンの黄金のマスクが見当たらない。30センチ程度のミニ・ツタンカーメン人形みたいのはあったんだけど、なかなか黄金のマスクは見せてくれない。
「さすがアメリカ。美術館の展示もハムナプトラみたいに引っ張るなあ」と思っていると出口

「へ?ツタンカーメンの黄金のマスクは?」

と思い、出口に立っていた警備員さんに聞いてみると

ツタンカーメン(のマスク)はロサンゼルスに来ていないわよ。前にアメリカに着た時に、マスクの一部がかけちゃってエジプトが怒って、もう(アメリカには)貸し出ししないから。ツタンカーメンの墓の中に一緒に入っていたナイフは展示されているわよ。」

って、ゆうのよ!何それーーーーーー!
刀なんか見たくないわい!刀じゃ被れないじゃん!(←やっぱり被る気満々)マスクどこよ~!
あんなに宣伝してたのに。JAROに訴えてやる!!!(アメリカだけど)

だけどあんなに「ツタンカーメンが帰ってきた!」と宣伝して公開当時は大騒ぎしていたから、もしかしたら1ヶ月くらい居て、エジプトに帰っちゃったのかな?と思いネットで調べてみると、

…やっぱり黄金のマスクは最初から来ていなかった

…と憤っているのは私だけではないようで、他にもむかついている人がいっぱいいて「詐欺だ!」と怒っている人も。どこかの弁護士事務所は、別の州からツタンカーメンと見るためだけに団体で飛行機に乗ってわざわざロサンゼルスにやってきて「広告に偽りあり。集団訴訟してやる」と本気で息巻いている団体もあったり。ある人は出口の係員に聞いたところ、一日に何万人も同じ質問が来ているらしく、面倒くさそうに「ツタンカーメンは来ていないから。エジプトの国宝なんだから、アメリカに来るわけないだろう」と見下したように言われたとか。

しかし、そういわれてみると、今回のツタンカーメン展示イベントのビルボード広告は↓


というように、マスクの一部だけを使っているものが多い。これはもちろん広告のデザインでもあるし、全部見せずに一部だけ”チラ見”させて精神的に駆り立てる効果を狙っているのかと思ったら、「唯一展示してあって黄金のマスクそっくりな顔のツタンカーメン人形の写真を使って、あたかも”黄金のマスク”も展示している」ような見せ掛けだったわけですよ。チキショー!時間とお金返せ!マスク、被らせろ!

しかし、よくよく考えてみると、数百万人と予想されるロサンゼルスの来場者は、黄金のマスクのツタンカーメンに会えると思って高い入場料を払っているわけで…実はこれが本当の「ツタンカーメンの呪い」なのではないかと思ったり思わなかったり。ま、最初から黄金のマスクは展示されていない、と知っている人も居るようなので、来場者が私のように一様にバカなのではないんですが。くやしー。かぶりてー。


**[この記事への直リン用URL]**2005年09月26日 22:06(米国時間)



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