2002年7月、ワールドカップの優勝に沸くブラジル。

そして国民的ヒーロー・ロナウドのレアルマドリードへの大型移籍‥

など、

今年は話題の絶えない情熱とサンバの国、ブラジル

そんな明るい話題が駆け巡る中で

政治不安、経済状態の悪化から起こる犯罪は

増加の一方を辿るばかりである。

ましてや、貧富の差が引き金となった少年犯罪の卑劣・凶悪化

この陽気なラテン国家に暗い影を落としている。

 

ある統計によれば、18歳以下の少年少女による犯罪は、

15年前の約2倍に増加し、

中でも、殺人、売春、窃盗といった重犯罪による検挙は

15年前の約3.5倍にもなっている。

少年院への復院率(刑期を終え出所した後さらに犯罪を犯し、再度少年院に召喚される事)は

1999年度には、なんと92%にもなっている。

少年犯罪のこれ以上の増加は、将来を見据えた上で

国家存亡の危機にも成りかねないとして、ブラジル政府少年犯罪防止委員会

国家の威信をかけて、試験的に導入した秘密兵器。

それが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かかし看守2.1号

 

ブラジル政府が米国ハーバード大学児童心理学・犯罪心理学の専門家と

4年と7ヶ月の歳月をかけて開発した自信作だ。

 

およそ2年前に試験導入された1号機に比べ、

外観に戦闘イメージを強く押し出してはいるものの、銃や手錠といった

武器の所持は排除されているのに、

威圧感が増大しているのが特徴である。

 

 

しかし、かかし看守2.1号の最大の変更点は

 

 

 

 

 

 

その表情にある。

 

 

 

かかし看守2.1号の顔を見れば、

犯罪暦のある少年達の5000人以上もの意見をもとに

効果的な表情サンプルが数百回にもわたり作り直された、

という研究者の度重なる苦労も納得だ。

 

国家存亡の危機にたたされたブラジル政府の期待を一身に受け

最も凶悪な少年達が集まる、といわれるサンパウロ市内の

4棟ある収容所のうち1棟に

昨年末よりかかし看守2.1号が実験的に導入され、

半年間で驚異的な結果を挙げている。

 

サンパウロ南少年院では復院率が92%である一般棟に対し、

かかし看守2.1号が配置された棟では復院率がわずか26%へ減少した。

また、予算削減に伴う看守の人員不足により、この少年院では

半年で1棟につき全体の11%にあたるおよそ30人が脱獄している傾向があったが

かかし看守2.1号の警備棟ではわずか5人と激減した。

 

この結果に関して、かかし看守2.1号制作プロジェクトの中心人物である

ハーバード大 T・アンダーソン博士は

「実に喜ばしい結果であるし、(度重なる研究結果として)当然の結果であると思う。

我々はブラジル政府の忍耐強さと柔軟さに深く感謝しており、

今後もプロジェクトの目的を

完全に達するまで研究を続けたい」

と語ったが、かかし看守2.1号の驚異的な威力を発揮する構造的な

質問に関してはいっさい口をつぐんだ。

 

これは、ブラジル政府とともに

かかし看守2.1号に関して特許を申請する予定であり

また、製品化することでロイヤリティを国家予算に組み込みたい、という

ブラジル政府が思惑が大きな要因なようだ。

 

このかかし看守2.1号に対し、

日本では犯罪心理学の権威、筑波大学のヲダ教授は

「少年犯罪は、成人による犯罪とは心理プロセスがまったく異なる。

少年という精神構造が未熟な段階で適切な指導をすれば

再犯率・復院率が低くなる事は様々な研究で実証されている。

まさにこのかかし看守2.1号

その検証結果を体現したようなものと考えられる。

つまり、かかし看守2.1号は厳格な”看守”であると同時に

優秀な”指導者”でもある、と言えよう」

と絶賛だ。

 

また、ブラジルの一人当たりの看守の人件費は

諸費用を合わせ約700万ドル(およそ840万円)。

このかかし看守2.1号の費用は500万ドル(およそ600万円)な上、

人間では3交代制を採らざるを得ないものを

1機で補えるとあって、財政的な面から見てもブラジル政府に

大きな貢献をもたらしそうだ。

 

このジンジャーを超えた21世紀の大発明、かかし看守2.1号機には世界各国から

大きな関心が寄せられ、アメりカ合衆国はもとより、

日本では同じく財政難に苦しむ東京都の石腹都知事

早くもブラジル政府にコンタクトをとったとい言われ、これが実現すれば

石腹都知事2期目の再選の目玉になりそうだ。

 

また、日本の国家レベルではスポーツ平話党で

ブラジルにも親交の深いアントニヲ猪気・元参議院議員が

かかし看守2.1号が特許取得の際は

日本での特許独占元となる可能性が高いとささやかれ、

それを機に政界復帰、もしくは人気不振に陥った現政権において

人気回復のための閣僚入りも噂されているとあって

今後もかかし看守2.1号の動きに目が離せない。

 

(ABC通信・2002年9月1日 リオデジャネイロ支局特派員)

 

 

このページに書かれた固有名詞等は一切フィクションです。そうです、でたらめです。

でも、実際にサンパウロの刑務所で使用されていたのは本当です。

ついでに、犯罪に関する統計も全てでっち上げです。

 

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